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雇用保険とは

雇用保険とは

日本の労働者保護という立場から作られている労働保険は、雇用保険と労災保険の2つから成り立っています。仕事中に怪我や病気になった時に使うという労災保険は別として、雇用保険はどのような保険なのか良く分かっていないという方は多いのではないでしょうか。

聞いたことがあるという人の多くも、会社を辞めて失業した時に失業保険として何ヶ月かお金を貰えるのだ、という程度の認識でしょう。
確かに、雇用保険のあらましやその保障の内容について詳しい人の方が珍しいでしょうから、保障は失業時のものだけだと思ってしまうのも無理はありません。

しかし、実際のところ雇用保険というのは、国が雇用の安定や継続、再就職の支援、労働者の能力開発など様々な目的を果たすために用意されているものなのです。

そのため、雇用保険に含まれている給付や手当は多岐に渡ります。単純な保障の種類の多さでいえば、5種類ある社会保険の中でも随一と言っても良いでしょう。
折角毎月の給与から天引きという形で保険料を支払っているのですから、失業時に貰える給付だけではなく、その他にある複数の保障を知ることで、雇用保険をより便利な保険として活用していくのが一番です。

目次

  1. 雇用保険を構成している保障
  2. 給付の内容について
  3. 手続きなしに給付は受けられない
  4. 雇用保険料の扱いと監督部署
  5. 雇用保険を活用する

雇用保険を構成している保障

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雇用保険の本来の目的というのは、労働者の生活とそれを支える雇用を安定させることです。

通常、仕事を辞めて失業者になった時点で収入は途絶しますので、再就職するまでに資産的な余裕のない人は生活もままならない苦境に陥ってしまいます。しかし、それではまだ元気に働くことのできる労働力をいたずらに浪費しているだけになってしまいます。
広い視点で考えると、働ける人、発揮できる能力のある人、訓練等によってレベルアップできる人はどんどんバックアップし、仕事という生産的な活動をしてもらった方が国益になります。
そのため、雇用保険では失業後の生活を一部補助するための保障、再就職に当たって必要となる各種の費用や、職業訓練などの給付を行っているのです。

他にも、一旦雇用された人が簡単に解雇されたりしないように、使用者も労働者も安定した雇用状態を継続できるように、失業そのものの予防労働者の能力開発、福祉に関する事業などを行っています。
特に後半の失業予防などは、雇用保険の三事業とまで呼ばれている、いわば雇用保険の柱の一つです。
簡単に言うと、雇用保険の保障というのは、失業者に対するものだけではなく、今現在働いている人にまで適用されるものであるということです。

保障の範囲が非常に広い分、想定される個々の状況が複雑になりがちな分、どうしても給付の種類や内容も深くなっています。そのため、余りしっかりと認知されていないのです。

給付の内容について

雇用保険の給付の内容を説明します。種類が多いので、全てではなく代表的なものをピックアップしてご紹介しましょう。

・失業等給付

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失業等給付というのは、いわゆる失業保険のことです。受給するに当たって必要な要件はありますが、失職した後、必要な手続きをしっかりと行うことで働いていた時より数割マイナスされた金額の金銭的給付を受けることができます。

働いていなくても収入が入る、ということです。分類としては、失業時に受ける職業訓練なども失業等給付の一種に含まれます。

・就職促進給付

就職促進給付は名前が分かりやすいです。これは、晴れて就職活動しに成功した人が受給できる給付であり、例えば失業等給付を貰える期間を残して就職を決めたりすると、残した期間が長ければ長い程多めに給付を受けられるといったものです。

雇用保険が求めているのは安定的な雇用ですので、継続して雇用されることが決まった時などでも給付が用意されています。

・教育訓練給付

日本の各地にある教育訓練校ですが、その受講料などを一部雇用保険の給付によって賄うというものです。雇用保険の給付の中でも非常に特徴のある給付であり、失業した後に何らかの訓練校に通った場合だけでなく、在職中に教育訓練を受けた場合でも受給できます。

・雇用継続給付

少子高齢社会である日本では、幼い子どもや高齢の老人の扱いも大切な社会的課題となっています。
そのため、高齢者の雇用や再就職、育児休業や介護休業を取得した者へ、給付という形での金銭的支援などを行う給付が存在しているのです。
極端な話、これらの労働者を解雇するのではなく、保険の給付によって適度にアシストしてもらいながら人材の確保ができるため、企業側にとっても有用な給付となっています。

手続きなしに給付は受けられない

どの社会保険でも大抵そうですが、ここまででざっと紹介してきた雇用保険の各種は、受給するに当たって自ら必要な手続きを取らないと取得できないようになっています。

雇用保険は強制加入の保険ですが、その保険給付に関するところまでを国が管理して声を掛けている暇はないからです。

自分が雇用保険の給付を受給することができるということが分かった時点で、自身の手で手続きをしなければならないので、雇用保険について知らなかったので受けられたはずの給付を受けられなかった、という状況が起きてしまいます。

給付にはそれぞれ時効があったりするので、いつまでも受けられる訳ではありませんし、何より受け取ることのできる給付にも限界があります。正しく手続きや加入をしていなかったがために、本来の給付より弱い保障を受けるというのは本末転倒です。

雇用保険料の扱いと監督部署

雇用保険がいかに強制加入の保険といっても、保険料という財布がなければ各種の給付を支出できるはずもありません。

雇用保険料に関しては、使用者と労働者が一定の割合で双方で負担することになっています。具体的にどれくらいの割合で負担をするのかは業種などによっても変わり、原則的に使用者の方が多く保険料の負担を行います

毎月雇用保険料が給与明細の欄を一つ消費していると思いますが、このように天引きという形で蓄えられた労働者の雇用保険料は、毎年一回納付が行われます。
労働者の所得から年間の概算保険料を割り出し、それを一括、ないし分割で納めるのです。細かな所得の変動があった場合は、所得税などと同じように調整を行うため、雇用保険料を払い過ぎたり払えていなかったりする必要は原則的にありません。

そして、これら雇用保険に必要な保険料の取り扱いや各種事務手続きを行っているのが、ハローワークです。公共職業安定所というのが正式名称ですが、こちらの方が馴染み深いでしょう。

雇用保険について何か個別に相談したいこと、保険給付の手続きをするなどの場合は、ハローワークに行けば良いということです。

雇用保険を活用する

雇用保険は、知っている人と何も知らない人で大きく利用価値が変わってしまう保険です。

例えば、失業等給付について知らなければ、失業後は貯金を切り崩しながら必死で就職活動をするしかありません。給付があれば精神的にも金銭的にも余裕をもって就職活動ができます。
他にも、在職中に英会話スクールに通ってスキルアップをするという場合でも、能力開発のための給付を取得できれば、スクールの費用を一部軽減することができます。

保険料を支払っているのは労働者なら誰しもが同じです。自分にとって役立つ給付を学び、しかるべき時に活用しましょう。使えるものは何であれ、使えるようになるのです。